ニッチビジネスの見つけ方・差別化の仕方⑤【市場での位置づけ4つのタイプ】
あなたがビジネスをしている業界はどんな業界でしょうか?
もしこれからビジネスを始めるのでしたら、大きな市場を相手にするより、特定のターゲット市場を絞り込むほうが成功しやすいです。
どの業界にもその市場での自社の地位・位置づけというものがあるかと思います。
しかし自社の地位・位置づけをちゃんと理解してビジネスをしている方は意外と少なく感じます。
自社の事情での地位・位置づけを知っておけば、戦略を立てる上で的外れな判断をするリスクを少なくすることができます。
この記事では『市場での位置づけ4つのタイプ』ということにフォーカスして紹介したいと思います。
目次
ニッチ市場を見つけるには?
ニッチ市場を見つけるには次の3つの質問に答えることができなければなりません。
時間をとって書き出してみましょう。
ニッチ市場を見つけるための3つの質問
1.ターゲットは誰か? どのような人を特定して売るのか?あなたがターゲットにしようとしているのは誰か?ターゲットとする人についてもっと知り、その人たちの傾向や特徴を明確にし、その行動を理解しましょう。 2.なぜ? 特定のニッチがなぜ必要か?なぜニッチを開拓しようとしているのか? 3.必要性、メリットは? ターゲットにする人々はなぜあなたが売っているものが必要なのか?あなたから何を望んでいるのだろうか?どんな悩みを解決したいと思っているのだろうか?
この3つです。
この質問に答えることで、ニッチ市場をターゲットとしたビジネスを始めることができます。
ニッチビジネスを見つける4つの着眼点
1.リーダー
「リーダー」は、その業界を牽引するトップに君臨するリーダー企業です。
自動車業界ならトヨタ自動車、商社なら三菱商事、外食業界ならゼンショーホールディングスがそれにあたります。
リーディングカンパニーとも言われています。
一部例外はありますが、一般的に業界1位と2位の売上高の差は大きく差がついていることがほとんどです。
おおよそ1.7倍以上、売上高に差があると、同じ土俵で戦えばだいたい大きい方が勝ちます。
したがって、「リーダー」が取るべき戦略は規模の強みを生かすことです。
より多くの売上を上げるために、品数を多くし、海外展開を踏まえた広範囲での展開していけば良いのです。
2.チャレンジャー
「チャレンジャー」はリーダーの座を狙う企業のことです。
その手段として、「リーダー」の商品と矛盾するコンセプトで差別化された商品を投入する戦略がとられることが多いです。
事例を見てみましょう。
業界2位のアサヒがビールの市場で王者キリンを敗った例
現在では、ビールの市場はアサヒがトップですが、かつてはキリンが絶対的な王者でした。
当時は、アサヒが「チャレンジャー」にあたります。
その当時は、ビールと言えばラガービールで熱処理、すっきり感、苦味があるという特徴があるビールがスタンダートでした。
それに対し、「チャレンジャー」のアサヒは、スーパードライという商品を投入したのです。
スーパードライは、非熱処理、キレ、コクがあるという特徴があります。
結果、スーパードライの売上は急上昇しました。
この時に、キリンも非熱処理のビールを投入すればよかったのですが、業界トップ銘柄というプライドもあったのでしょうが「ラガー」の特徴を否定するような非熱処理の商品と出すことができなかったのです。
そして、対応が後手後手にまわるキリンを尻目にアサヒはついにビールの市場シェアトップに君臨します。
3.ニッチャー
「ニッチャー」とは限定的な市場、つまりニッチ市場で生きる企業のことです。
ここでも、ビール業界で事例を紹介します。
「ちょっと贅沢なビール」のコンセプトで、少数派にウケる商品を提供したエビスビールの例
今でこそプレミアムビール市場は各社参入していますが、かつてはニッチ市場でした。
そしてサッポロビールのエビスビールがその先駆けで市場シェアを勝ち取っていました。
ニッチ市場の注意点は、当時はニッチ市場でもある程度利益が見込める市場に発展すると各社が参入してくる可能性があるということです。
そうすると、もはやニッチ市場ではなくなってしまいます。
現在では、大手もプレミアムビール市場に参入していますので同じ土俵で戦っても規模の経済で負けてしまいます。
今後は、エビスビールは商品の差別化をどうするかということに戦略の重点を置くでしょう。
だからと言って「ニッチャー」を目指すべきではないということではありません。
あなただけの市場を、あなただけのポジションを作っていけば良いのです。
スモールビジネスにおいては「ニッチャー」になることをおすすめしています。
次の「フォロワー」も少し工夫すれば「ニッチャー」の地位になることもできます。
4.フォロワー
「フォロワー」とは、リーダーをパクる企業のことです。
基本的に、低価格以外の特徴が打ち出せないので利益率は低くなります。
その反面、商品の開発費用等は低く抑えることができますのでそこそこの利益は残ります。
廃業する事業のほとんどがこのフォロワーですね。
この先、利益率の低いビジネスは規模の強みがないとますます廃業して可能性があります。
そこでの戦略は、少しでも特徴を打ち出すこと、いわゆる差別化です。
お客さんがそこに価値を感じてくれれば、結果的に利益率は上げることができます。
そして、「フォロワー」は商品力よりも販売力の強化に重点をおいてください。
こちらの記事も参考にしてみてください。
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参考文献 藤屋伸二著『ドラッカーに学ぶ「ニッチ戦略」の教科書』ダイレクト出版
以上、「市場での位置づけの4つのタイプ」という視点から紹介していきました。
まず自分の立ち位置を理解し、戦略を立ててみてください。
差別化戦略のヒントはこちら
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